青春を忘れたくないのですが。
青春を、忘れたくないと思う。
本当は、ずっと青春の中にいたいと思う。でもそれは、できない気がする。私は、すぐに成長してしまう。永遠にプリクラを撮りに行くほど元気になれない。何度も失恋するほど、お馬鹿さんでもない。
本当は、ずっとプリクラ機の中でグリーン色に包まれていたいし、大好きな人に綺麗な空の写真を送り付けて、たまに反応をもらいたいけど。
どんどんプリクラは値上げしていって、カーテンの色も変わって、落書きは流行らなくなってしまった。大好きな彼には彼女ができて、私にも彼氏ができてしまった。
青春は、一瞬だから輝いているんだ。だって、汗だって、すぐに乾くし。乾いた後は、くさくなった体をシャワーで洗い流してしまわないと、どんどんにおってしまう。
シーブリーズでごまかすにも、限界があるんだよ。
たくさんの友達ができた。たくさんの恋をした。今だって、楽しいけどさ。もう制服を着たらコスプレになっちゃうんでしょ。
真っ黒のスーツが制服だなんていやよ、私。就職だなんてしたくない。やりたいことなんか、なんにもない。卒業式の日に、死んじゃえばよかったのに。
でも、今だって、やっぱり、楽しくはあるんだ。
もう、銀杏BOYSを聞いたって、号泣できない、その寂しさに、しくしくと泣くことしか。
寂しい、寂しいな、でもまだぎりぎりでつながってる気がする。
ほんとに怖いのは、しくしくとすら泣けなくなったときじゃないかしら。
いやだ。でも、大人になりかけている。タイムリミットが、迫っている。